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事例紹介:亀山市立川崎小学校
亀山市は三重県の中北部に位置し、鈴鹿山脈を臨む人口5万人ほどの市です。市内に11校ある小学校と3校の中学校では、地域や家庭と連携した教育活動を目指しており、2019年春に竣工した川崎小学校の新校舎も、「地域の中で育つ川崎っ子、地域が育てる川崎っ子」をテーマに計画されました。
亀山市は学校図書館支援事業を市の主要事業と位置づけ、「学校図書館情報システム管理」「学校司書の配置」「学校図書館活用アドバイザーの派遣」「かめやましファミリー読書リレー」などを推進しています。
「かめやましファミリー読書リレー」は小学校1年生とその家族を対象に、設定した期間に毎週絵本を2~3冊家庭に持ち帰り、家族で読書をします。リレーカードを使って各家庭の感想をつなぎ家庭での読書の楽しみを広げたり、読書習慣の定着を進めたりすることを目的としています。
図書館は校舎2階の中心に位置し、多くの児童が普段から行き来するコミュニティーモールに面しています。入口は広くオープンに作られており、外からでも図書館の中の様子がよく見え、子どもたちが自然と中へ誘い込まれていく様子が見られます。
図書館正面奥に隣接するPC教室とは、ガラス張りの引き戸で仕切られており、双方が一体化して使用できる、メディアセンターとなっています。
亀山市は、2010年から学校図書館協力員の配置を始め、2014年からは中学校への司書の配置を開始。現在では、週に1~2日ですが全小中学校への配置ができています。川崎小学校には、学校司書の松尾久美子先生が週2回の勤務をしており、その限られた時間の中で、蔵書の管理やリファレンスだけでなく、展示や掲示にも気を使い、子どもたちの本への興味を高めようと活動されています。
入口とカウンターの近くは、絵本や読み物など、子どもたちが読みたくなる”生きのいい本”が並べられています。さらに、表紙を見せる展示型の配架も、本に興味を持たせる効果を発揮しているようです。
入口から左奥の、調べ学習の資料群に囲まれたエリアには、サイズ180cm×90cmの大きめのテーブルが並べられており、調べ学習がしやすい環境が整えられています。
亀山市立川崎小学校
所在地:三重県亀山市
施主:亀山市
設計:株式会社東畑建築事務所