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平湯文夫先生の新著「生資料で読む 長崎図書館づくり物語」が刊行されました
図書館維新の50年
1965年、今から60年近くも前、東京の日野市で日本の図書館の革命が始まってから、8年前の2015年、学校司書の配置が法制化されるまでのちょうど50年。この50年は、日本の「図書館維新の50年」といってもいい、大切な50年だと思います。
全国47都道府県中、ほとんど最下位をつづけていた長崎県の公共図書館も、今、中ほどまでに躍進しました。 学校図書館もまた、司書が配置されはじめて、やっと大きく動きはじめました。その50年間、私はそっくり、仲間たちと長崎や九州や沖縄の図書館づくりとともに生きてきました。私にとっては図書館は、平和と民主主義の最大のインフラと信ずる人生のすべてといっていいほどのものです。
その間の資料が、私の手元にうず高く保存されています。そして私は、いつのまにかずいぶん齡をとってしまい、それらの資料が私と共に亡びてしまうことが気になるようになりました。
そこで、こんな一風変わった本に仕上げることになりました。ずいぶん手のかかる、そして、またずいぶん乱暴なところもある本づくりですみません。
私と身近な仲間たちがやってきたこと、書いたものを多くとりあげすぎたかもしれないこと、ひとりよがりも多かったかもしれないことなどもどうかお許しください。うず高く残る資料を限られた頁数の中に収めるため縮小せざるをえなかったことも。
これでやっと、けなげにがんばった仲間たちにも、またしかるべき図書館にも、届けられるとほっとしています。
無人島にこの一冊持っていっても、一年ぐらいならけっこう楽しめるような本にはなったかなと思っています。
2023年12月 大晦日 平湯文夫
平湯 文夫
図書館づくりと子どもの本の研究所主宰
長崎純心大学名誉教授 (図書館学)
1934年生まれ。 長崎の県立高校で19年間国語を教えながら、 学校図書館のあり方を模索し続ける。 1977年、 純心女子短期大学に迎えられて、 図書館学を教えるかたわら、 公共図書館づくり運動や図書館の家具と館内のレイアウトの研究にもとりくむ。 1995年 「図書館づくりと子どもの本の研究所」を創設。 学校図書館と公立図書館を生きかえらせるための講演、執筆や図書館の建設や改修のための計画、 指導にあたってきた。 公立図書館で20館以上、 学校図書館で300館以上の新改築、改修にあたった。 著書に『平湯モデル図書館写真集』ボイックス社刊など。2012年、 平湯モデルは「キッズデザイン賞」を受賞。
生資料で読む 長崎図書館づくり物語
2024年1月20日発行
編著者:平湯文夫
制作協力:山本みづほ、上谷川実和、山郷百合、田原千佳子
イラスト:国重清香
定価:本体 4,000円+税
発行者:平湯文夫
発行所:図書館づくりと子どもの本の研究所
印刷・製本:㈱昭和堂
※アマゾン ブックストアで購入ができます。