研究所だより

平湯文夫の研究所だより No.015


「図書館を生きかえらせる」シリーズ 3部作がやっと完結しました。

◎3冊目は、「研究所だより」の(2)で『徹底的研究篇』などと予告したものです。やはり広く読んでいただけるものにしたいと、3度も書き直して『図書館家具絵物語』となりました。
私の年来のテーマは、沈滞した、学校図書館、公共図書館を、入るなり歓声をあげられるような図書館につくりかえること、利用を飛躍的に伸ばすこと、またそんな図書館を最初からつくることで、またそのとおりに実行してきました。そのノウハウのすべてをこの3部作に凝結させたつもりでいます。
 こういったものは、仲間に広げていくことで日本の図書館はよくなっていくことになるはずです。そして、こんなきれいなカラー印刷は、3千部は印刷しないことには、びっくりするような高いものになってしまいます。それで、1部売りでも、きれいなカラー印刷にしては、ずいぶん安いはずですが、10部以上だとさらにぐっと格安になっています。まわりにもすすめていただいて10部以上で注文していただけるととてもありがたいです。カラーのチラシもたくさん用意してありますのでご請求ください。
 1部売り送料共800円、10部以上の場合は1部につき送料共半額の400円です。
「研究所だより」(2)で紹介しました『カラーパネル篇』同様、木城えほんの郷(T0983-39-1141・F0983-39-1180)でも扱ってくださっています。どちらかご注文の方で『カタログ篇』をご希望の方には無料で同封します。また私の研究所でも同様に扱っています。(T&F095-844-8270)

◎中2の孫娘がやってきて、「おじいちゃんの『絵物語』読んだよ」という。「ほんと?全部読んだの?」「読んだよ」「写真もいっしょに見ながら読んだの?」「見ながら読んだよ」「へえ、栞が最後まで読んでくれたなんて嬉しいな」「パパも全部読んだよ」「ほんと?嬉しいな」「おじいちゃんがつくった図書館、ホームページのあるところも多いはずだから、おじいちゃんのホームページからリンクできるようにすると、みんなに見てもらえていいと思うよ」「ほんとだね。なるべく早くそうしようね」
 帰るとき、玄関で、「おじいちゃん、がんばって」と言って帰っていった。

◎その中学校と縁りの深かった先生がなくなられて、学校図書館を魅力的にすることに使ってほしいと、かなりの額のご寄付があったということで、学校図書館の改修プランを頼まれました。学校司書のKさんが、佐賀の三日月町図書館を見て、ぜひ私にと推薦してくださったようです。担当の教頭先生の理解がまたはやくて、さばけもよく、プランも施工も気持ちよく進みました。その中で、教委でも、窓のなかった廊下側の壁に1スパン分だけでも窓をあけてあげようということになったり、また、せっかくだからもう少し予算をふやして、テーブルと椅子も新しくしようということになったり、おもしろいように展開したりして、また一つ楽しい図書館ができあがりました。
 図書館を魅力的にしたいと思いつづけている人は、私がかかわった図書館にめぐり会ってくださいますし、なかなかうまくとりついでもくださいます。あとは、私が精いっぱいつくりあげたプランから、できあがりのすばらしさを、どれだけうまくイメージしていただけるかがポイントとなります。なんとか良いものをつくりたいという思いとイマジネーションの感性の豊かさにかかっているような気がします。
 この中学校図書館の改修は『日本経済新聞』の9月3日の夕刊(全国版)にもとりあげられました。


この記事は、2003年7月1日から平湯文夫先生が自身のホームページ「図書館づくりと子どもの本の研究所」に掲載した研究所だよりを再編集して転載したものです。


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