平湯文夫の研究所だより No.010
奄美にも平湯モデルの町立図書館が竣工しました。
◎月初め、愛知県に飛ぶ。まず豊橋市で、学校司書の配置など、学校図書館を生きかえさせることにとりくむ市議や市民の方に会い、出迎えていただいたKさんとT村へ。既設の建物を改修して村立図書館をつくろうとする設計事務所のプランについて、所見と提案を送っていたものについて、直接会って話し合う機会をつくってもらったもの。
その夜は、宿のペンションに村民の方たちが集まられて、私のスライドトークと質疑。翌日一日、準備室と設計事務所と村民代表で話し合い。
◎夜、新幹線で上京。翌日は、首都圏125万都市の市議を32年もつとめて昨春引退した学友に会う。手柄話などほとんどきかせてもらえなかったが、頼んで送ってもらった印刷物を読んで、36歳で全議席64名中2位で初当選以来の誠実な仕事ぶりがしのばれて敬服。これぞ市議。
◎図書館増築のプランを送ってあげた農業高校の学校司書のSさんから、すぐファックスが届いた。「ていねいで美しいプラン受けとりました。写真もたくさんでイメージもふくらんできました。ありがとうございます。検討しまして、また℡、Faxさせていただきます。まずはお礼まで」
素人にもイメージできて、夢をふくらませていただけるように、いっしょうけんめいつくってあげたものを、そのとおりに受けとめた感性とさばけのよさに嬉しくなる。
追って事務長さんからも、生徒さんたちが丹精をこめてつくったというみかんの新種「デコポン」が送られてきて、「すばらしいプラン、誠にありがとうございました。これをもとに県財政当局に予算要求を行っていく所存です。これからもよろしくお願いします」と添えられていた。
司書の感性と事務長さんのやる気。図書館を生きかえらせていくのは大変な仕事だけど、こんな人たちに励まされてつづけてこれたようなもの。これからの展開が楽しみ。
◎27日、大宰府へ。2年近くも連載を休んでしまった「九州沖縄図書館づくりの話」を載せてもらっている「赤とんぼ通信」の15周年10日連続イベントの9日目に出席。午前は、今江祥智氏の話、午後はてのひら劇場。夜は、スズキコージ氏、海瀬渡豊氏父娘らも馳せ参じて楽しい記念パーティー。福岡泊。
◎翌日は、鹿児島経由で奄美の徳之島へ。ところが、徳之島強風のため午前の便欠航。3時間半待って午後の便も飛ばず。やむなく鹿児島港18時発のフェリーにのり、16時間ゆられて翌朝10時徳之島着。
徳之島町立図書館の家具のとりつけの後半の仕上げの仕事を家具製作所といっしょに4日間。ほぼ期待どおりのものができあがった。
帰ったあと町長さん、助役さんも見えて大層満足されておられた由。
平湯モデルに関心をもっていただいたところには、どこにも、「できあがったら必ず喜んでいただけます。がんばってください」といってきたが、奄美にもまた一つ、みなさんに喜んでいただける図書館ができた。
これから、引越し、開館準備と、大変な2か月がつづいて、5月22日、23日の落成、開館が楽しみ。