平湯文夫の研究所だより No.105
No.98、100につづく「図書館について語り合うつどい」が開かれました。
1回目、2回目におしゃべりをした人たちの中に、私が、なんで図書館づくりにのめりこんでいったのか、また、なぜ最初、子どもの本の勉強と子ども文庫づくりから始めたのか、そのあたりからの話を聞きたいという人が現れました。全国の図書館の発展にとり残されていた九州・沖縄、長崎の図書館が、今、全国の中ほどまでに躍進したことには多少の役割りを果たしたと自負しているのに、そんなこと、忘れられてしまいそうだと思いながら、その厖大な運動資料を整理しているときでしたから、嬉しいことでした。
まず、日本の図書館には、50年ほど前に大変革が始まって、それは全国に広がっていったのに、長崎の図書館は少しも変わらなかったことをグラフで示しながら話しました。そして、その頃の長崎の図書館がどんなにひどかったか、実物の資料も示しました。そんな中で、まずどんな活動から始めたか、上のような資料も示して、1時間ほどお話しました。
そのあと、みんなで語り合いました。私の話を聞く人たちの目が終始輝いていたこと、そして、質問や意見がひきもきらなかったことなど、世話人たちはくり返し話して大変満足しておられたようなので、成功だったのかなと思いました。
初め広い会場を予約しておられたのを、10名から20名ぐらいの、親しく語りあえるつどいにしましょうとお願いして、狭い会場に変えていただいたのに、25名も集まっていただきました。つづけてほしいという希望まであったということで嬉しい限りです。
県都の市立図書館として、全国で最後にできた長崎では、市民も行政も議員さんたちも、メディアまでもが、図書館についての認識が大変おくれているように思います。新しい図書館を子どもの時から利用して育った市民が、議員さんや行政の担当者になるときを待たなければ、ほんとうの図書館はできないのだと思っていたときでしたので、大変嬉しく思いました。
9月には、郷土史好きの方たちに「図書館と郷土史」という題でおはなしします。
長いこと毎週つづけておられる勉強会です。郷土史の勉強が郷土愛をはぐくむためなら、郷土史の好きな人たちだけで郷土史を学ぶだけでなく、小学生から全市民が郷土史に関心をもって郷土史を学び、郷土愛を育んでいくようにすることが大切ではありませんか。そんな図書館にみんなで育てていきましょう」というような話をするつもりです。