研究所だより

平湯文夫の研究所だより No.060


このトシでデザイナーデビューしました。

 カタログなどの裏表紙に、マークと説明がのせてありますが、「キッズデザイン賞―子どもの未来デザインクリエイティブ部門」で受賞しました。7月31日、六本木ヒルズでの第6回受賞記念シンポジュームに出席しました。取材のマスコミなどもいっぱいで、翌朝、ホテルのテレビで放送しているのを見て、それなりのものなのだと思いました。
 実は、一度だけ「図書館建築賞」というのに応募したことがありました。受賞の期待はあまりしていませんでしたが、これこそ受賞していいはず、という自信あっての応募でしたが、だめでした。その後応募したいと思ったことは幾度かありましたが、無駄のようで、ひまもなく、したことはありませんでしたが、今回は、ひとが応募してくださったのです。
 建築とか図書館家具とか、どこで学んだかときかれることがあります。高校生の頃、建築家になりたいと思ったことはあります。原爆で妻子を失い、自分も二次被爆で早死にした建築士の次兄の仕事を見せてもらったことなどからかもしれません。近年、兄の学んだ京都高等美術工業学校(現京都工芸繊維大)を訪ねて調べると、図案科だったことが分かりました。当時、デザインという言葉はなく、図案といっていたようです。仕事も少なかったので、建築の勉強もしたときいたことがあります。デザインという言葉もなく、仕事も少なかった頃、デザインを学ぼうとしたことを思いました。父は謹厳実直そうな小学校教師でしたが、田んぼと農家に囲まれた、赤レンガ塀の英国人の住んでいた洋館を買いとって住んでいました。手ばなしたあと、近年まで残っていた赤レンガ塀までとりこわされるとき、「これは残してほしい」と頼もうとしたが、土地の人ではなかったので、言えなかったと幼友だちにきいて、まわりの人たちの思いを知りました。
 父の残した書類などを見て、なかなかのデザインなので、家ではずっと和服だった父とそぐわないような、いやなかなかのしゃれ者だったのかもしれないとも思ったりします。ちなみに末娘も一応「GD」の名刺で仕事をしてて、このHPのことを頼むときなど、「先生」と呼んだりもします。


長崎市立小中学校司書全員参加で手づくり改修法の研修会をしました。

 55号で予告しました長崎市教委主催による「学校図書館手づくり改修法」の研修会が実施されました。司書全員36名に担当の先生方もいれると実習だと1回ではむりということで2回に分けられました。
 1日でできる最も効果的な改修法をしっかり用意し、4名の庁務員さんたちには、あらかじめ市有林の檜の間伐材を使って、ポイントとなる入口の看板や大きな丸い簀の子掲示板や楕円の展示台などを準備していただきました。
 当日は、今日1日の作業のことと、これをもとにこれから111校全校に展開していく改修計画案の大よそを私から話しました。
 そのあと、庁務員さんたちには、組み立てや取り付けをしてもらい、参加者には、新しいレイアウトにもとづいて、書架や本の移動、清掃などしてもらいました。カウンターの改造なども含め、お金をかけず、1日でも十分見ちがえるように改修できることを体験していただけたようでした。あとは、この2校での実績を市内全111校に、どう展開していくかの計画にとりかかります。


40名の参加者に市会議員さん3名も加わって、竹村先生の指導のもと書架と本を移動。


4名の庁務員さんで簀の子掲示板を製作して取りつけ。


入口には檜の台木に5ミリ厚のコルクを貼った看板を。


この記事は、2003年7月1日から平湯文夫先生が自身のホームページ「図書館づくりと子どもの本の研究所」に掲載した研究所だよりを再編集して転載したものです。


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