研究所だより

平湯文夫の研究所だより No.035


名古屋から草津まで10日間の長旅になりました。

 出張は1週間以内にと思っていますのに、沼津→清水→名古屋→藤沢→埼玉→草津とやむなく長旅になりました。新幹線に高速道が出来て以来、日本も狭くなったと、たかをくくっていましたが、初めての草津はちがいました。午後、草津をたったのでは、羽田からの最終便にまにあわないのです。しかし、若い人の携帯はすごい。山手線→モノレール→福岡行航空機→かもめ乗り継ぎをみごとに出してくれて、午前1時、なんとか我が家にたどり着きました。


桜の木を使ったかわいい図書館の置きものが届きました。

鹿児島甲南高校司書の中島洋子さんにお願 いしていた、桜の木を使ったかわいい図書館の置きものが届きました。もうたまらないほどすてきです。27・28日の一泊研修に展示し、8月2・3・4日の東京での学図研大会にも展示します。


研究所主催の「学校図書館を生きかえらせるノウハウを学び合う一泊研修会」

 1日目は、千々石中学校技術教室で、同校江崎校長先生の手づくりの実習をたっぷり。全員、一日、熱中して、それぞれに快心の作をつくりあげました。食べるものをとること、生きていくためのものをつくることは、生物発生以来の人間の最も基本的ないとなみであり、夢中にさせるものであることをあらためて実感したことでした。手づくりは、生きるいとなみそのものであり、喜びなのです。学校図書館を手づくりで改修する根拠はここにあります。
 終了後、近くの千々石少年自然の家に移って夕食。
 19時から、「自己紹介かたがた各地からの報告や語り合い」。明日の午前中との重複は気にしないで、自己紹介と各地からの報告をしてもらいました。私の補足もまじえて一巡したときは時間いっぱいとなっていましたが、参加者の多くは、初めてきくほかの地域の情報にしっかり耳を傾けておられたようです。
 終了後も、宿舎のログハウスに移って、うまい飲みものなどもいただきながら夜半まで語り合いました。
 2日目、午前は、まず昨夜出席できなかった方たちの自己紹介。
 つづいて、昨夜の人中心から、今度は、地域中心で、対馬から順に学校図書館の状況を報告してもらいました。これも一巡して時間となりましたが、大方の感想は、それぞれに似たような問題をかかえておられるのが分かってよかったということのようでした。


 午後の前半1時間は、平湯がいただきました。この10年ほど、日本の学校図書館がにわかにうごき出したことから、どこでもむずかしい問題にぶつかっておられること。それは、どこも同じような問題で、学校図書館をつくり出す歴史的な大切な仕事なので、学校図書館の歴史や全国のうごきなどしっかり勉強してとりくんでいきましょうというような話をしました。
 明日からの仕事にすぐ役立つ、ノウハウやハウツウものでない話にしては、昼食後の眠い時間にもかかわらず、よく聞いていただいたと思いました。
 午後の後半は、この会の今後について話し合いました。平湯が勝手に思いたち、心あたりの方たちの賛同、協力をえて、全県のおよその状況も分かっていて、勤めもない、まずは隗よりと始めたことですが、そろそろみなさんでやっていただけますか、と問いかけました。長崎県学校図書館研究大会も復活したことですし、なくてもいいかとも思うのですが、どうしますか、「やはり続けますか」の問いかけに、すぐ一斉にほとんどの出席者の手が挙がったことに、この会の必要と、今回の成功を知った思いでした。
 終了後も、事務局体制などに名のりをあげる人たちも出て、これで、この会が「みんなのもの」になるなと思いました。



千々石中学校での江崎校長先生の手づくり実習風景。オービタルサンダーも、ジグソーも、バーナーも使いました。33名それぞれに作品を持ち帰りました。


この記事は、2003年7月1日から平湯文夫先生が自身のホームページ「図書館づくりと子どもの本の研究所」に掲載した研究所だよりを再編集して転載したものです。


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