平湯文夫の研究所だより No.026
島根県の「学校図書館パワーアップ事業」の指導に出かけました。
前片山知事や今井書店永井会長らの努力で鳥取県の学校図書館が大きく前進していることにひきつづいて、隣りの島根県の学校図書館の前進もまた注目されています。「学校図書館を育てる会・しまね」ほか、関係者の努力が実り、今春県下全小中学校に学校司書を配置するための補助に島根県が踏みきったのです。同時に島根県では、「学校図書館パワーアップ事業」として、今年度から15校ずつ3年間、計45校の学校図書館を生きかえらせる事業にもとりくんでいます。(1校あたり50万円)
この事業に応募したA中学校から指導にきてほしいと頼まれました。応募時に用意された改修プランがあったようですが、それはそれとして、せっかく遠くから招いていただいたわけですから、図書館の施設づくりのプロとして、またこの春からの、手づくりの家具づくりや改修のノリで、送っていただいた図面や写真をもとに、本格的な手づくり改修のプランを用意しました。
なにしろ、この2年、ことにこの春からのつめで、材料費だけなら、5千円から2万円もあれば、施設面ですっかり生きかえらせるノウハウが用意できているのですから、提案だけはさせていただくことにしました。
私を招いてくださるところは、どこも私の注文を受け入れてくださるのが大変です。せっかくですから、研修会のようなかたちにして、先生方も一人でも多く私の話をきいていただきたい。できれば、町内の全小中学校からも教育委員会からも、一人ずつでもご参加いただくようにご配慮いただけると幸せです。そうして、A中学校がモデルとなって、町内の全小中学校にひろがり、さらに、島根県全体のモデルになるようなものにしましょうとお願いしました。
前日、夕方出雲空港に着き、お迎えの車でA中学に着いたときは暗くなっていましたが、図書館の現場を見せていただきました。たいていなことは手づくりでやってくださるという事務官のみごとな成果もたくさん見せていただいて、心強いかぎりでした。
当日午前中は、図書主任の先生やその事務官の方たちと、私の提案のとりくみ方について実地に説明し検討しました。時間さえあれば手作りでもできるし、一部業者に頼むことにしたら容易にできることがはっきりしました。
午後から研修会。私の期待をはるかにこえて集まってくださった方たちに、スライドをご覧いただきながらお話をし、その後、図書館の現場へ移動して実地に説明しました。
学校や教委のご事情で、私の本格的な提案がどれだけとり入れていただけるかは分かりませんが、もし全面的にとり入れていただけたら、きっと全国的にも画期的なものになるとたのしみです。
翌日の午前中も、町内のB小学校へ学校司書の要請で出かけ、休日というのに校長先生や関係の方々もおいでいただいて、改修方法を検討しました。
この町は、この春まで、文科省による「学校図書館支援センター事業」の補助を、ひきつづいて今年度からは、3校に学校司書を置くなど、学校図書館に力をいれているところです。